臨時休校の呼びかけから約2ヶ月。当初は「4月から登校できるのでは」という話もありましたが、度重なる休校延長を受け、今では5月中の休校解除も難しい状況になっています。
そのため、各自治体では、休校中の自宅学習について各家庭に連絡や指示をしていますが、その方法は各自治体で大きな違いがあります。
どのような違いがあるか、ここでは、いくつかの自治体の学習方法について、比較していきたいと思います。
札幌市
札幌市のホームページに、小中各学年の学習課題を提示。
ダウンロードして課題に取り組めるようにした。
横浜市
各学校のホームページにて、課題を提示し、ダウンロードして取り組む。
教育委員会の指導主事を中心に、専用チャンネルにて学習動画を配信。
この動画はTVKテレビでもテレビ番組として視聴可能。
名古屋市
熊本市
何をモデルにすべきか
このように各自治体で自宅学習方法に大きな差が生じています。
多くの自治体では、プリントを教師が家庭まで持って行く、または学校に取りに行き、家庭で丸付けをする、という方法をとっているようです。
その方法では、教師の仕事は「プリントの選定」と「プリントの作成」のみです。子どもの状態やよさや課題をみとり、それに応じて子どもを支援するという「指導と評価の一体化」は成されません。
今注目されているのは、熊本市のモデルです。
多くの自治体で情報端末の不足やセキュリティの問題でオンライン授業の実現が難しい中、熊本市が実現できたのには、次のような要因があります。
- ICTに強い教員の実践が市のモデルとなり、影響力があった。
- 熊本大学との協働により、「ICT教育モデルカリキュラム」が作成され、教員の研修を積極的に進めてきた。
- 熊本地震後、「震災復興を担う人材を育成する」という目標のもと、遅れていた端末整備を急ピッチで進め、3年後には3人に1人という情報端末整備を整えていた。
- 家庭での機器の使用を可能にし、情報端末をもっていない家庭には、学校の端末を貸し出しできるようにした。
もちろんオンライン授業は万全ではありませんし、学校での授業をオンラインにそのまま置き換えるのは無理があります。既存の動画コンテンツやドリル・プリント等とのバランスをとる必要があるでしょう。
しかし、先の見えない状況で子どもとコミュニケーションをとらず一方的に紙の課題を与え続けるのはもっと問題でしょう。
失敗が許されないことが風潮が今の公教育の最も大きな問題だと思います。子どもが学校に通えない今だからこそ、トライアンドエラーができるチャンスでもあります。「子どもの自立的、自発的な学び」につなけ繋げる方法を試し共有することが求められるのではないでしょうか。
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