なぜ小学校に副担任はいないのか?!




どうして小学校には副担任がいないの?

大学生からこのような質問を受けたので、
回答をyoutubeにアップしました。

小学校の先生を長年やっていると、小学校に副担任がいないことは当たり前に感じてしまうのですが、「中学・高校は副担任がいるのになぜ小学校は・・・」と思うのは、当然の疑問ですよね。

特に最近は「学校の多忙化」が叫ばれている中「小学校にも副担任がいれば多忙化解消になるのに・・」と本当に思います。

「小学校にも中学のように2クラスに1人、副担任がいればどんなにいいだろう」と思うのですが、今のところ実現不可能なのです。

なぜかというと

法律で決まっている

からです(>_<)

根拠となる法律は「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」です。長い名前ですね。

この法律の第2条で児童生徒の人数辺りの学級数、第7条で学級数辺りの教員数が決められています。

ご存じの方が多いと思いますが、日本の公立学校は40人で1クラス(小学1年生は35人)です。例えば、
学年の人数が80人なら2クラス(1クラス40人)、
81人なら3クラス(1クラス27人)
です。

そしてクラス数に応じてで1学校辺りの教員数が決まってきます。その計算式の基準が小学校と中学校では違っているのです。

校長はどの学校も1人配当されますが、授業はしません。それ以外の先生の数は、
仮に全校12学級だとしたら、


小学校は学級数に1.210を掛けた人数
中学校は学級数に1.570を掛けた人数

になります。計算すると

小学校 12×1.210=14.52人
中学校 12×1.570=18.84人


です。

しかも、この人数には教頭(副校長)も含まれるのです。 

教頭は普通担任をしないので、担任以外の先生は、

小学校だと1.52人

中学校だと5.84人 
 です。(端数は切り上げ)



小学校の場合、担任以外はたった2人!しか
配当されないのです。

2クラスに1人副担任を置こうとしたら、6人必要になるので、小学校だと副担任が置けないですよね。

実際にはこの法で定められた基準に加えて、各都道府県(政令指定都市)の予算で加配された先生が各学校1〜2人配当されます。


しかし、小学校だと、音楽、図工、家庭科などの専科、算数少人数、児童支援専任なども必要です。定数に満たなくて配置されている専科教諭はほとんど非常勤講師(アルバイト)なので、副担任をすることは不可能です。

学校現場の多忙化が問題になっている今、働き方改革を進める上で、「人を増やす」ことは急務です。しかし、この法律のために増員できないのです。


小手先の改革ではなく、抜本的な改革、法律の改定が望まれます。




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