幼稚園教諭、保育士の免許では、一般的には小学校で教えることはできません。
しかし、小学校の教員免許をもっていなくても、小学校で働く方法があるのです。
最近、学校の先生が足りないニュースと共に、幼稚園・保育園の先生の離職率の高さも社会問題になっています。
幼稚園・保育園の先生の離職率が高い一番の理由が「給料が安い」ことです。
小学校は殆どが公立ですが、幼稚園、保育園は私立が多いこと、資格の取得が大変な割に勤務時間が長く、給料が安いため、「やり甲斐があるけど続けられない」という方が多いのです。
子どもが好きで先生になったのに、給料や勤務条件のために職を辞してしまうのはとても残念なことです。
しかし、「特別免許状を授与し、小学校で非常勤講師として働く」ということもできるのです。
特別免許状とは、
「教員免許状を持っていないが優れた知識経験等を有する社会人を教員として迎え入れることにより、学校教育の多様化への対応や、その活性化を図るため、授与することができる免許状です。」(文部科学省の通知より)
特別免許状を授与することにより、小学校で勤務すること可能になります。
幼稚園、保育園の先生が小学校で働くメリットは、3つあります。
①幼稚園、保育園での経験が生きる
私の知り合いの文部科学省の官僚にこのアイディアを話したところ、「幼稚園、保育園の先生の方が小学校低学年の担任に向いている」と言っていました。
子どもの自主性を伸ばし、個に応じたきめ細かい指導をすることについては、小学校の先生より向いていると言えます。低学年児童をともすれば子ども扱いしている今の小学校教諭より、「主体的、対話的な学び」をしているとも言えます。幼稚園、保育園での指導経験を大いに生かすことができるのです。
②収入アップが見込める
現状、幼稚園、保育園の先生は、朝早い時間から夜遅くまで働いていることが多く、拘束時間の割に給料が安いです。
小学校の非常勤講師の場合、自治体によって給料が違いますが、一般的には時給2500円〜3000円位、勤務時間はフルタイムではないので、8時30分〜15時くらいまでです。
今までより短い勤務時間で、今まで以上の収入が見込めます。
非常勤講師なので、勤務時間外に副業(複業)をすることも可能です。
③時間に余裕ができる
学校の「ブラック職場」が最近問題視されていますが、収入に見合わずブラックという点では、幼稚園、保育園はそれ以上かもしれません。
非常勤講師なら15時くらいには勤務が終わるので、幼稚園、保育園でフルタイムで働くよりずっと勤務時間が短くなります。
短くなった勤務時間を使ってリフレッシュすることも、新たな資格を取得することも、副業(副業)することもできます。様々な可能性が見えてきます。
特別免許状の運用
特別免許状の制度は以前からあったものの、実際にはあまり活用されず、特例として授与されていました。
しかし近年、学校現場での人材不足、講師不足が深刻化し、文部科学省も「弾力的で柔軟な対応」ということに方針を変え、特別免許状を授与する自治体が増えています。
自治体によって特別免許状の授与状況は違いますので、興味をもった方は働きたい自治体の教育委員会に問い合わせていただきたいと思います。
freeduでも、各教育委員会の特別免許授与状況を発信していきます。また、「働きたい」と思った方は、登録フォームに登録していただきたいと思います。
参考 教育新聞2018年9月19日 免許状取得の弾力化求める 免許外教科担任で報告書
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