2020年、Chrome OSのシェアがMacを越えました。
これは、GIGAスクール構想により、学校現場での導入が進んだためです。
2019年末にGIGAスクール構想が立ち上がったとき、「大半の自治体がChromebook(クロームブック)になりそうだ」と、関係者から聞きました。
GIGAスクール構想が前倒しされたため、導入が一気に進み、シェアの向上をもたらしたのです。
しかしこれまでパソコンと言えば「Windows」か「Mac」であり、「クロームブックって聞いたことあるけど、使ったことない」という方が大半ではないでしょうか。
筆者は、4月からのChromebook導入の練習のため、2020年12月にクロームブックを購入し、使い始めました。
そして、ギズモード・ジャバンのサイトに、クロームブック紹介のわかりやすい記事と動画がアップされていました。
私の使用感とこのサイトの記述をもとに、クロームブックの特徴をお知らせしたいと思います。
目次
そもそもクロームブックとは何か?
googleが開発した、Chrome OS (クロームOS)を採用したノートブックのことです。
10年ほど前から(20110年から、日本での一般向けは2014年から)あったのですが、近年の教育現場での普及に伴い、一気にシェアが拡大しました。
2020年のシェアは10%、2021年には20%を超えると言われています。
「どんなPC?」と言われた時に、とても大雑把に説明すると、
「PCブラウザが動くアンドロイドマシン」といった感じです。
そのため、操作性は、アンドロイドのスマートフォンと似ています。
最近の子ども(若者)は、初めて使う情報端末はスマホという場合がほとんどなので、若い人ほど操作性で悩むことはないでしょう。
操作はほとんどブラウザ(Chrome)で行うのが基本
WindowもMacも、PCにインストールされているソフト(プログラム、アプリ)を開いてデータを扱います。データを開こうとしても自分のPCにはインストールしていないソフトのデータは開けない、という経験をした方も多いと思います。
しかし、クロームブックは基本的にデータを扱うのにソフトを使わないのです。どのようにしてデータを扱うのかというと、ブラウザ(インターネット閲覧ソフト クロームブックの場合は基本的にChrome)で開くのです。
つまり、インターネットで検索することと、メールを送る、文章を書く、表計算をする、写真を管理する、プレゼンを作る等のことが同じ扱いになるのです。
以前と違い、メールにしろ、オフィス系ファイルにしろ、ほとんどの作業がブラウザ上でできるようになりました。ブラウザさえ開くことができれば、大抵のことができるというのがChrome OSの考え方なのです。
先ほど、クロームブックのことを「PCブラウザが動くアンドロイドマシン」と説明しました。アンドロイドスマホとの大きな違いは、アンドロイドはスマホ用のブラウザが開きますが、クロームブックはPC用のフルブラウザが開くということです。このため、スマホと同様の操作でPCと同じ作業ができるのです。
アンドロイドのアプリが使える
先ほど、「操作はブラウザで行うのが基本」と述べましたか、実はアンドロイドのアプリをインストールして使うこともできます( 一部使用できないアプリもあり)。
クロームブックにはキーボード部分を反転させたり外したりしてタブレットのように使える機種もあります。
アンドロイドタブレットと同様の使い方もできるのです。
メリット
1 値段が安い
GIGAスクールでは、端末の購入に関して国から補助金が出ます。上限は45000円です。自治体としては、この値段に収まる端末を導入したいですよね。
クロームブックはOSはGoogleが無料で提供しています。そしてWondowsやマックより低スペックのCPUやメモリでも動くので、端末の価格を抑えることができるのです。
エントリー機で3万円台、ハイエンド機でも10万円くらいで購入することができます。
2 スペックが低いハードでもOK。OSが軽く、キビキビ動く
先程の項目とも関連があるのですが、OSが軽いので、起動も早いです。スペックの低いハードでもサクサク動きます。windowsのように起動に時間がかかることもなく、キビキビ動きます。
バッテリーの持ちもとてもいいです。1日中使ってもバッテリーが切れることはまずありません。しばらく充電しないで放置していても、ほとんど放電せずバッテリーが残ってます。
3 データはクラウドに保続することが前提なので低メモリでも大容量
クロームブックのストレージ(端末にデータを保存する場所)はほとんどありません(メモリは64GB/ 128GBモデルが中心)。このスペックでは本体にデータを保存するには心許ないです。
ではどこにデータを保存するのかというと、クラウドに保存することが前提なのです。
クロームブックはGoogleが提供していることもあり、Googleドライブ(学校の場合、Google for Education、企業の場合はG-Suite)に保存することが前提です。
つまり、Googleのアカウントを持っていることが必須となります。
4 データの管理がしやすい
クラウド上にデータがあるので、もしPCが壊れた、機種変更した等のことがあっても、同じアカウントでログインすれば、データは丸々クラウドに残っているので簡単に復元することができます。
また管理者側にもメリットが大きいです。例えば学校で生徒が使う端末に一括して同じアプリを入れるとき、まとめてインストールを指示すれば、各端末がインストールを勝手に行ってくれます。
そのため、同じマシンをたくさんの人に使われるとき、とてもやりやすいPCなのです。
GIGA スクールでシェアを伸ばしているのは、この理由も大きいです。
5 スマホやタブレット、PCとの同期が簡単
上記とも関係があるのですが、Googleのアカウントを持っていることが前提なので、Googleドライブ、Google フォト、カレンダー、連絡帳などが自動的に同期されます。また、インターネットの閲覧・検索履歴、Googleマップの使用履歴も同期されます。
PC、スマホ、タブレット等を使用した操作の続きを特別の操作をしなくてもクロームブックで簡単に行うことができますし、もちろんその逆も簡単です。
デメリット
1 ネットワークが必須
クロームブックの特徴と大きく関連があるのですが、ブラウザ上で動きクラウドにデータを上げるのが前提ということは、ネットワークにつながっていることが必須ということです。ネットワークが繋がらないところでは、ほとんどの機能が使えなくなります。
2 本格的な作業には向かない
ブラウザ上で動き、アプリもスマホ用ということは、本格的な作業をしようとしたとき、できないことが増えてきます。
プロ用のアプリが使えない、スマホ用のアプリは大画面では作業しにくい、などのデメリットもあります。
個人的にはIMEはWindowsでもMacでもスマホでもATOKを使っているので、クロームブックでも使いたいのですが、タプレットモードの時はスマホ用のATOKが使えるにも関わらず、キーボードを使用するときは標準のGoogle日本語入力しか使えないのが困っています。
3 ハードウエアの拡張性がまだまだ
一般的は周辺機器(マウス、プリンタなど)は、Windowsやマックで使うことが前提とされているので、これらの周辺機器がクロームブックでは対応していない、対応していても機能に制限があるということが多いです。
このことはこれからChrome OSのシェアが拡大するとともに改善されるかもしれません。
筆者はクロームブックを2020年12月頃、2万円台で購入しました。普段Windowsやマックを使っている方も、金銭的な負担が少なく購入できますし、サブ機としては十分すぎるくらいの機能です。
この記事を読んでクロームブックに興味を持たれた方は、是非購入していじり倒してみてはどうでしょうか。
GIZMODEジャパンのYoutubeチャンネル「クロームブックがMac超えなんて嘘だろ…。3万円でもサクサク動く「Chrome OS」って何なの?」にクロームブックの特徴、メリットデメリットが詳しく解説されていますので、併せてご覧ください。
GIGAスクール構想での端末の導入については、こちらの記事も併せてご覧ください。
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