ゲームはどんどんやらせた方がいい?




「〇〇を見ると犯罪者になる」「〇〇をするとバカになる」式のメディア有害論はよく聞くが、「死ぬ」とまで脅されることはめったにない。しかし文明開化まもない明治日本では、知識人が「小説を読むと死んでしまう」と大真面目に論じていた。

かつて小説は有害メディアだった!?——読書と道徳より https://cakes.mu/posts/18354

中村正直といえば、ベストセラー『西国立志編』(明治4年)の翻訳者で、福沢諭吉にならぶ啓蒙思想家として日本史でもおなじみの有名人だが、彼が「中村敬宇」名義で1876(明治9)年に発表した「小説ヲ蔵スルノ四害」はちょっとすごい。漢文訓読体の原文は読みづらいので、かいつまんで紹介しよう。

第一「品行を欠く」小説を好む者は決して正人佳士(立派な人間)ではない。
第二「閨門を敗る」小説を好む婦女は醜聞が多いか、労咳(肺結核)で死ぬ。
第三「子弟を害す」親の小説を盗み読む子供は破滅するか、早死にする。
第四「悪疾多し」小説を好んで読む者は悪い病気を持っている人が多い。
「小説ヲ蔵スルノ四害」中村敬宇(『東京新報』第1號)
とにかく、小説を読むと病気になってすぐ死んでしまうのである。

かつて小説は有害メディアだった!?——読書と道徳より https://cakes.mu/posts/18354

新しい娯楽メディアに子どもは飛びつきますが、それに馴染んでいない大人は不安に感じ批判するのです。そして子どもが大人になり、権威をもつようになると、かつて批判された自分の好みのメデイアはオールドメディアになり、それを擁護し、今度は新しいメデイアを批判するようになるのです。

テレビゲーム(コンピュータゲーム)はまた30年の歴史しかありません。しかし、映像、音楽という映画を構成する要素に加え、双方向、体験等複雑な要素で成り立っていることを考えると、これからは「総合芸術」と認められるようになってくるでしょう。
最近はゲーム作成者だけでなくもプロゲーマー、eスポーツというように、ゲームプレーヤーも「プロ」となれる可能性も出てきました。

そうすると程度の問題です。野球、サッカー、スケート、ピアノ、ダンス、囲碁、将棋、受験勉強などと同じです。野球のやり過ぎも、囲碁のやり過ぎも、ピアノのやり過ぎも、勉強のやり過ぎも同じように悪いことになるのに、そう言われないのは、古いか新しいかの違いしかありません。

プロになりたいのなら子どもの頃から1日中練習しないといけないし、たしなむ程度なら日常生活や健康に支障を来さないよう配慮しないといけません。
家庭でのルールを守り、健康に留意し、ゲームも、音楽も、スポーツも楽しんで欲しいと思います、勉強も。




シェアは下のボタンから

登録はこちらから




freeduは自由な教育を支え
フリーランス教師を応援します!

学校で働きたい方、先生を探している学校はこちらをご覧ください。