GLOCOM(国際大学)主任研究員の豊福晋平先生は、ここ数年、GIGAスクールやICT文具論についての発信で、とても注目を集めています。
豊福先生は、GIGAスクール構想が成功する秘訣について、twitterで「GIGAスクールの鉄則」という発信をしています。全国の先生に読んでいただきたいと思い、当サイトでもまとめさせていただきます。
今回は第四弾、61〜80です。
GIGAスクールの鉄則61〜80
GIGAスクール導入の鉄則61
”研修・講習よりオンラインのユルいつながり”
縦で分断された研修より、教員相互の横つながりをオンラインで保てば、課題共有や解決は迅速に進められる。
GIGAスクール導入の鉄則62
”あれこれ増やすより普段使いのツールに慣れる”
種類を増やしても運用が煩雑になるだけ。頻繁に使うツールはそのうち絞られてくる。
GIGAスクール導入の鉄則63
“好奇心と熱中がなければ、ただただ面倒な道具”
ICTに振り回されず、自分の手に馴染ませるには、ある程度の時間と情熱は必要。
GIGAスクール導入の鉄則64
教えた通りにしか使えない人より
勝手に工夫して使い方を見出す人の方が数倍エラい
GIGAスクール導入の鉄則65
”ルールより約束”
ルールを押し付けても自分事でなければ守れない。デジタル・シティズンシップ教育では、相互の信頼のもとに交わす約束を強調します。
GIGAスクールの鉄則66
“毎日使う道具のことを年1回30分では教えられない”
今までの情報モラル教育の常識は通用しない。学校日常がデジタル化すれば、重点は日々の学級指導に移る
GIGAスクールの鉄則67
“みんなちがって、みんないい”
ICTを道具立てするのは子ども自身、活かし方もそれぞれ。全員同時に同じ事をさせようとするほど無理が生じる。
GIGAスクールの鉄則68
”学級/学校/自治体間で活用の格差ははっきり現れる”
新学期スタートから早くも1ヶ月半、毎日文具のように使うケースと死蔵して使わせないケースでは、すでに経験に雲泥の差が生じている。
GIGAスクールの鉄則69
“保護者も便利で手間いらずがいい”
デジタル連絡帳で紙のファイリングは不要になり、リモート保護者会・個人面談は忙しい保護者にやさしい。
GIGAスクールの鉄則70
「何かあったらどうするんですか?」はNG
現実的なリスク想定と責任限界点を見出すのが議論の前提。責任丸投げは罵声以下。
GIGAスクールの鉄則71
”低い床・高い天井・広い壁”
MITレズニック氏の言葉。初心者のハードルを下げ、高度なものづくりを許容し、多様な選択肢に寛容であることが必要。
GIGAスクールの鉄則72
“ICTが文具になれば子どもの将来も変わる”
文具とは自分の知力を活かす武器。幼い時から慣れ親しめば志望先も職業選択にも影響する。
作りました。どこまでできたかチェックしよう!
GIGAスクールの鉄則73
“大人の前でも堂々と使う”
ICTのあやしい・やましい・うしろめたいイメージはアンチな大人が勝手に作ったもの。
GIGAスクールの鉄則74
”授業で使えるか、より、子どもの道具になり得るか”
の方が大事。授業支援システムは学校授業限定。汎用のクラウドツールなら個人デバイスでも活用出来る。どちらが教育的配慮か?
GIGAスクールの鉄則75
”誰もがICTの可能性の一部しか知らない”
実は分かってる使いこなしてると思っている大人ほどその傾向は強い。子どもに与える道具の可能性も同じ。
GIGAスクールの鉄則76
”教具への執着は文具の可能性を潰す”
GIGA端末を使う小2の子が「競技スコアのスプレッドシート共有して、皆で書込んだら便利じゃない?」と担任に提案したら「授業以外で使っちゃいけない」と却下されたと。(勉強・授業で)用途限定すればこうなる。
GIGAスクールの鉄則77
”創造性は教えられない”
が、育んだり支援することは出来る。「作物の成長を世話する農家のようなもの」とはMITレズニック氏の言葉。
GIGAスクールの鉄則78
”指示待ち強制より現場への権限委譲”
導入初期は試行錯誤のスピードが重要。指導主事に指示・問い合わせを集中させれば全体の動きが止まる。
GIGAスクールの鉄則79
“教育の営みに放任はない”
統制か放任か、ではない。学習者中心主義の目標は子どもの自律にある。統制でも放任でも自律は育たない。
GIGAスクールの鉄則80
“その場限りの授業支援システムより学級ブログ”
授業に閉じた情報は埋もれてしまう。身近な関係者(子どもと保護者)と成果を蓄積共有することに意義がある。
豊福晋平先生
国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)主幹研究員・准教授
北海道出身、横浜国立大学教育学部(心理学)卒、横浜国立大学大学院教育学研究科修了、東京工業大学大学院総合理工学研究科博士課程中退
専門は学校教育心理学・教育工学・学校経営。一貫して教育情報化をテーマとして取り組み、近年は、北欧諸国をモデルとした学習情報環境(1:1/BYOD)の構築に関わる。
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