政府の子ども政策の推進に関する有識者会議の清家篤座長(元慶応義塾長)は11月29日、「こども基本法(仮称)」の制定や人員・財源確保を求める報告書を岸田文雄首相に手渡しました。
政府は報告書を踏まえ、子どもに関する諸施策の基本となる「こども庁」の2023年度創設に向けた基本方針を策定し、来年の通常国会に設置法案を提出する方針です。
2023年までにこども庁を創設
その基本方針の原案によると、こども庁は総理大臣直属の機関として内閣府の外局に位置づけ、担当大臣とこども庁長官を置き、令和5年(2023年)度のできるかぎり早い時期に設置するとしています。
3つの部門で構成
こども庁は
- 企画立案・総合調整部門
- 育成部門
- 支援部門
の3つの部門で構成されています。
企画立案・総合調整部門 | ・子どもや若者から意見を聴くなどして政策の企画立案に当たる ・デジタル庁と連携して子どもや家庭に関するデータベースの構築を進める |
成育部門 | ・幼稚園や保育所などの教育・保育内容の改善などを担う ・相談窓口や情報提供の充実に取り組む |
支援部門 | ・虐待や貧困など困難を抱える子どもや家庭に対する包括的な支援に当たる |
子どもの権利条約の理念に基づく
報告書は、「子どもの権利条約」の理念に基づき、虐待やいじめで子どもの権利が侵害されないようにする必要性を強調しています。そして、こども庁創設を念頭に、子どもに関する政策の監視・評価、関係省庁への勧告権限を検討するよう求めています。
さらに、子どもに関する政策に充てる安定した財源の確保に向けて、企業を含め社会や経済の参加者全員が広く負担していく新たな枠組みを検討することも明記しています。
参考: