夏休みが明け学校が再開し、大人へのワクチン接種が進む中、子どもへの感染が拡大していることが厚生労働省と、その助言機関である国立感染症研究所(感染研)の調査から分かりました。
小学校でのクラスター 1週間で32件 前週の3倍超に
厚生労働省は9月16日、多くの学校で2学期が始まった9月6~12日の1週間に小学校で発生した新型コロナウイ類のクラスターが32件に上り、前週の3倍超になったとする調査結果を公表しました(同一の場所で2人以上の感染者が発生した場合ほクラスターと認定)。
小学校での発生件数は1学期の間は毎週5件以下で推移していました。
8月30日~9月5日は9件だった。
また、6~12歳の感染場所についても分析しています。
場所が特定できたケースでは、9月1~13日では自宅が80・3%と最も多かったが、学校も10・9%を占ていました。
新学期が始まり、学校でも感染が広がっている実態が見えてきました。
感染者の18歳以下の割合が1/4に迫る
新型コロナウイルスの感染者に占める18歳以下の割合が増え、4分の1に迫ることが国立感染症研究所の分析で分かりました。これまで全体の1割程度で推移していましたが、8月から急増しています。
感染研によると、全感染者に占める18歳以下の子どもの割合は4月から増加傾向で、8月に入って顕著に増えまし。9月上旬には2割を超え、1週間あたりの感染者は1万人を超えています。
一方、65歳以上の割合はワクチン接種が進んだ4月以降に大きく減り、全体の4分の1を超えていたのが1割以下にななりました。
厚生労働省が感染者情報を管理するシステム「HER―SYS(ハーシス)」のデータで確認したところ、子どもの感染場所は自宅が最も多いが、学校での感染も拡大していることが分かりました。
感染場所がわかる8月の1万2194人のうち、感染場所と年齢の関係は次のようになっています。
感染場所 | 3~5歳 | 6~12歳 | 13~15歳 | 16~18歳 |
自宅 | 74.4% | 83.8% | 75.6% | 57.1% |
学校 | 6.6% | 13.9% | 23.9% |
年齢が上がるほど学校での感染の割合が高く、活動が広がるためとみています。
また、小学校での感染は8月が6.6%だったものが、9月1日〜13日が10.9%になっていることからも、学校での感染が進んでいることが分かります。
12歳未満にはワクチン接種ができない
日本では現在、12歳未満はワクチンを接種できないため、割合が相対的に上がったとみられます。
厚労省助言機関座長の脇田隆字・国立感染症研究所長は
接種が進むにつれ、子どもの感染者の割合が増える可能性がある。子どもへの家庭内感染を防ぐため、ワクチンを打てる親や兄弟の接種を進めるべきだ。
と指摘しています。
また、厚生労働省は今後、子どもへの接種が始まる可能性を否定していません。
接種の対象は、接種の日に満12歳以上の方です。このため、12歳に満たない方は、新型コロナワクチンの接種の対象にはなりません。
厚生労働省「新型コロナワクチンQ&A」
なお、接種の対象者は、現時点の科学的知見に基づいて決められており、日本においても、今後、接種の対象年齢が広がる可能性があります。ファイザー社及び武田/モデルナ社の新型コロナワクチンは、海外で、生後6ヶ月~11歳を対象とした臨床試験も実施されています。
参考:2021年9月16日 読売新聞オンライン「新学期始まった小学校でのクラスター、1週間で32件…前週の3倍超に」
関連記事
最近のコメント