教員の長時間労働が問題となる中、実質的な時間外労働の平均が小中学校や高校でいずれもいわゆる「過労死ライン」の月80時間を上回り、小中学校では3人に1人が休憩時間は「0分」と答えたことが日本職員組合(日教組)の調査で分かりました。
調査は、日教組が2021年夏にインターネット上で行い、小中学校や高校などの教員ら合わせて7014人から回答がありました。
一週間の時間外労働の平均は、中学校で120時間超
この中で、2021年1学期の平均的な1週間の勤務状況を尋ねたところ、持ち帰り残業を含めた実質的な時間外労働の平均は月当たりの換算で
小学校 | 190時間16分 |
中学校 | 120時間12分 |
高等学校 | 83時間32分 |
となりました。
同時期に調査された一昨年より減少していますが、どの校種でもいわゆる「過労死ライン」とされる月80時間を超える状態が続いています。
1日の休憩時間の平均は10分〜15分程度 全く取れないが1/3
日の休憩時間の平均は
小学校 | 11.7分 |
中学校 | 15.5分 |
となっています。
そして、小中学校の教員の3人に1人が休憩が全く取れない「0分」と回答しました。
日教組「早急な業務改善が必要」
日教組の西嶋保子労働局長は
昼休みや放課後に休憩時間が設定されているが、給食や部活動の指導で実際にはとれない。目の前の子どものためとなると切り詰めにくく、根本的な業務削減が行われない中で限界がある。平均が『過労死ライン』を超えている危険性を国として認識して取り組んでいただきたい。
と指摘しています。
参考:2021年12月15日 NHKニュース「教員の時間外労働 平均で過労死ライン超 “休憩0分”も 日教組」
関連記事