文部科学省は11月19日、公立小中学校の教員定数について、末松信介文部科学相ら国と全国知事会など自治体との2回目となる協議を行いました(1回目は2021年5月)。
末松文科大臣は冒頭、
(公立小中の)30人学級はあきらめていない。
と述べ、少人数学級のさらなる充実に向けた教員の確保を将来的に検討する考えを示しました。
教員定数をめぐる国と地方の協議は、公立小学校の段階的な「35人学級」を実現する改正義務教育標準法の成立を受け、5月に初会合が行われました。
この法改正については文科省は30人学級の実現を目指していたものの、財務省の抵抗のため、折衷案として「35人学級」に落ち着いたという経緯があります。
公立小学校で導入されることになった「35人学級」。中学校も含めた30人学級を目指す文部科学省と、教職員人件費の増加を抑えたい財務省が折り合う形で決着した。文科省や教育関係者から「大きな一歩だ」との声が上がる一方、質の高い教員や教室の確保、教育・労働環境の改善など課題も残っている。
2020年12月18日 東京新聞「文科省と財務省が折り合った『35人学級』 教室、教員不足など課題は山積」
2022年度予算概算要求では、35人学級の整備に必要な教員の確保に加え、小学校高学年での教科担任制の推進や中学校の生徒指導の充実などに必要な定数改善を求めています。
自治体側も今回の会合で、教員確保を求める提言書を国側に提出しました。
全国知事会長の平井伸治鳥取県知事も、
少人数学級の実現に向け、確かな道のりとしなければいけない。
と強調しました。
参考:2021年11月19日 時事ドットコムニュース「公立小中『30人学級あきらめず』 教員定数改善へ地方と協議―政府」
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