新型コロナウイルスの影響で、通常の学校行事が行えない学校が今年はたくさんあります。小学校生活最大のイベントとも言える修学旅行が中止になった学校もたくさんあります。
修学旅行が中止になったことは残念ですが、その代わり、中止が悲しい思い出にならないよう、子どもたちの心に残るよう、代替行事を実施した学校もたくさんあります。
この記事は、修学旅行が中止になった代わりに、校内宿泊行事を実施した学校の実践です。担任の先生から許可をとり、学級だよりを元に記載します。
10月の初旬頃のニュースで、栃木県の小学校が修学旅行を中止にして学校宿泊体験を行なっていると記事が出ていました。写真は逃走中の様子でした。こんなに楽しそうな感じなら、うちの学校の宿泊体験もきっとうまくいくなと確信しました。それにニュースになるってくらいなので珍しい取り組みなのだと思いました。パイオニアですね。
目次
夜のドロケイと人狼
学校宿泊体験は楽しいイベントづくしであっという間な二日間でした。
6ー1の最初のプログラムは、夜のドロケイです。暗がりの中で、校庭だけでなく、中庭や体育館裏などをエリアとして逃げ回ります。いつもよりも見にくくて全然捕まらないかと思ったらそうでもありませんでした。あっという間につかまってしまいましたが、みんな楽しそうでした。クラスのみんなでいつもとは違う時間を楽しむ雰囲気が幸せだなあと思いました。
次のプログラムは、人狼です。とても殺伐とした内容のゲームで驚きましたが、子どもたちの間で人気のゲームらしいです。話術や相手の仕草を見て人狼を見つける洞察力が試されるゲームでした。
夕食にDJブース
夕食では、体育館の放送室を使ってDJブースが作られていました。お気に入りのミュージックをかけて雰囲気を盛り上げていました。DJが歌を歌ったり、リコーダー奏をしたりと工夫されていました。崎陽軒のお弁当を食べながら、楽しみました。
NizuU projectがコンセプトのキャンドルファイアー
夕食の後はキャンドルファイヤーです。私はキャンドルファイヤー担当なので、子どもたちと一緒に準備を進めてきました。キャンドルファイヤーのコンセプトはNizuU projectです。チガユープロジェクトと題して体育館でオーディションを開催しました。キャンドルファイヤーのゲーム、ソング、ダンスで自分を上手に表現できれば合格です。主催者チーガーパークやメンバーの子たちが寸劇で登場し、場を盛り上げます。ゲームでは、アイドルゲームにアイドルジャンケンなどアイドル仕様にゲームを工夫して行いました。ダンスはもちろん「Make you happy」です。中休みに練習を重ねてきたので、みんな楽しそうに縄跳びダンスをしていました。歌は、V6の「WAになっておどろう」です。四年生のときのキャンプファイヤーでも歌っていたらしく、大盛り上がりでした。ゲームを説明する子たちや劇の子たちが一生懸命がんばって練習してきた成果を出せたキャンドルファイヤーでした。
学校中でお化け屋敷
キャンドルファイヤーの次はお化け屋敷です。学校中をお化け屋敷にしているわけですから、普通の遊園地のお化け屋敷よりも道順の長いお化け屋敷です。しかも学校は暗くて、いつもとは雰囲気がまるで違います。私も一周回らせてもらいましたが、衣装や場づくり、仕掛けが工夫されていて驚きました。生首がそこらじゅうにあったり、急にドアが開いておばけが走って追いかけてきたりとすごかったです。驚かせるの楽しいなあとおばけ役の女の子が話していました。また、お化け屋敷に行くのが怖い子たちのためや待っている子たちのために映像チームが体育館で上映会を開催していました。僕も何度かインタビューされたのですが、このときのために映像を撮りためていたのですね。各実行委員会のメイキング映像があったり、おもしろ映像を作ったりと上手に編集されていました。
教室で寝袋で就寝
たくさんのプログラムを大満足し、1日目は終了しました。子どもたちは、各教室に4〜5人ずつ分かれて寝袋を使って寝ました。
校内で逃走中
2日目のメインプログラムは、逃走中です。普段は走ってはいけないと言われている学校の中を走れるのですから、それだけで子どもたちはワクワクしています。逃走中のゲームマスターが登場し、さらに場を盛り上げます。「いでよ!ハンター!」の合図で、体育館の扉が開かれると、そこにはスーツとサングラスの集団が20人近く。お父さん協力隊のメンバーです。この日まで先生たちや担当の子どもたちは内緒にしてきたので、初めて知った子どもたちは唖然としています。「5分後にハンターが解き放たれる。さあ逃げるがよい!」と伝えられると子どもたちは、一目散に逃げて行きました。まだ、朝食の片付けをしていなかった子は、大焦りです。ミッションや復活イベントなどを子どもたちが考えたイベントでプログラムを盛り上げていました。最後は、ハンター全てが解き放たれましたが、100人ほどの子どもたちから9人が逃げ延びることができました。かくれんぼが上手な子たちが残ったみたいです。誇らしげでした。
主体的・創造的・自己発展的な活動の面白さ
最後は、閉校式。式の実行委員の子たちが感想を述べ、この二日間の楽しく生き生きとした場面を振り返って話をしていました。
この二日間のプログラムは、子どもたちが準備をしてきた創造性あふれるものばかりでした。知っている場所、知っているものばかりなので、具体的でアイデアが浮かびやすかったのだと思います。主体的・創造的・自己発展的な活動の面白さを体験を通して実感できたのではないでしょうか。コロナ対応の消毒も教員側がやっていることをいつも通りすればよいのでやりやすかったです。
修学旅行に行けなくなってしまったのは残念ですが、意味あることができたと実感した二日間でした。
修学旅行は制約が多く、旅行会社主体のツアー旅行になってしまうことが殆どです。この学校は修学旅行が中止となってしまったことを逆手にとり、子どもたちがよく知っている学校を利用し、企画・運営を子どもたちが主体になり運営しました。
「自分たちが創り上げた」という思いは、子どもたちの心にいつまでも残るでしょう。
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