児童生徒の自殺、前年比41%増で過去最高
文部科学省は、2021年2月15日、2020年の全国の小中学生と高校生の自殺者数は前年比140人(41・3%)増の479人(暫定値)となり、過去最多を更新したと発表しました。
校種別では、
- 小学生14人(前年比8人増)
- 中学生136人(同40人増)
- 高校生329人(同92人増)
高校女子は前年の2倍、月別では8月が多い
高校生では特に女子が前年の約2倍の138人と急増しています。
月別で見ると、8月が前年比35人増の64人で最も多かったです。
例年、夏休み明け前後は子どもの自殺が増えるという統計データがありますが、2020年は夏休みを縮め、8月中に授業を再開する地域が多かったことが影響したと考えられます。
学校が本格的に再開された6月以降は毎月、自殺者が前年を大きく上回る状況が続いているのです。
原因はコロナ禍による不安?
文科省初等中等教育局児童生徒課はその原因を「新型コロナウイルスの感染拡大による社会不安が影響した可能性がある」と考えています。
文科省は「前年までであれば踏みとどまっていた子どもたちが、『コロナ禍』による先行きの不透明感や社会不安によって自殺に至ってしまった可能性がある。新型コロナの影響は今後も続くため、予防教育や相談体制を強化していきたい」と話している。
2021年2月15日 毎日新聞「児童生徒の自殺者急増 最多479人 コロナ禍の社会不安影響か」
指導生徒が抱える不安の要因として、
- コロナ禍の先行き不安
- 「新しい生活様式」による人と接する機会の減少による孤独
- 学習の遅れの挽回による負担増
など、複数の要因が考えられます。
小学生の自殺者は16名と、全体の割合で見ると少ないように感じますが、前年との比較で考えると、6名→14名の233%増です。
- 学習時のグループ活動の制限
- 前を向いて喋らず食べる給食。お代わりの制限
- ものの貸し借りの禁止
- 行事の中止や縮小
など、小学生でも不安に感じたり寂しさを募らせたりする要因はたくさんあるのです。
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