2023年度に廃止の「教員免許更新制度」来年度の講習はどうなる?
教員免許に10年の期限を設け受けないと失効する教員免許更新制について、萩生田光一文部科学相は28日の閣議後会見で、廃止までの経過措置として、来年度から、すべての講習から教員が希望するものを選んで受講できるようにすると発表しました。
全て自由選択に
更新制について萩生田氏は、来年の通常国会で必要な法改正をし、早ければ2023年度から廃止する方針を8月に表明しています。ただ廃止までに更新期限を迎える教員はこれまで通り2年間で30時間以上の講習を受ける必要があり、有効期限1年の違いで講習を受ける受けないの違いが出てしまい、不公平感を感じている教員が多数いました。対象教員の負担感を減らすための経過措置をとるというものです。
現行の30時間の講習の内訳は、次のようになっていました。
領域 | 内容 | 時間 |
必修 | 国の教育政策などを学ぶ | 6時間 |
選択必修 | 学習指導要領の内容などを学ぶ | 6時間 |
選択 | 自由に選べる | 18時間 |
来年度からこの領域を撤廃し、すべて選択できるようになります。オンラインやオンデマンドで受講できる講習を増やし、教員がめあての講習を探しやすくするための検索サイトを独立行政法人教職員支援機構が年度内にも立ち上げます。
萩生田大臣「教師本人のニーズに沿って」
教師本人のニーズに沿った講習をいつでもどこでも受講できる環境を構築していきたい。
負担は変わらず
この措置は一見対象教員に寄り添っているように見えますが、30時間の講習を受けなければならないことには変わらず、2022年度に免許の期限を迎える対象者に負担減にはほとんどなっていません。
- 2022年が期限の人は来年度はの講習は据え置き、免許更新制度廃止後の制度を2023年度以降に適用できるようにする
- 2年間に30時間取得する講習を、半分の15時間以上で講習完了とする
などの対策でなければ、本当の意味での「負担減」にはならないでしょう。
参考:2021年9月28日 朝日新聞「教員免許更新の講習、自由に選べるように 廃止までの経過措置」
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