目次
大学に行かなくても教員免許が取得できる
学校での仕事は教員以外にも
- 用務員(技術員)
- 事務職員
- 給食調理員
- 栄養士
- 司書
- 理科支援員
- ICTサポーター
- 職員室業務アシスタント
など多岐に渡りますが、メインの仕事はなんと言っても「授業」です。
そして授業を行うには、教員免許が必須となります。
一般的に教員免許を所得するには、教員免許が取得できる大学に行き必要な単位を所得することが必要です。しかしそれ以外に、試験を受けることにより取得する方法があります。その試験が「教員資格認定試験」です。
試験は年1回 一次試験は9月
教員資格認定試験で所得できる免許は「幼稚園」「小学校」「特別支援学校」です。ここでは小学校の試験について紹介します。
試験の目的
文部科学省によると、この試験の目的は、「広く一般社会から人材を集めるため」だとわかります。
広く一般社会に人材を求め、教員の確保を図るため、大学等における通常の教員養成のコースを歩んできたか否かを問わず、教員として必要な資質、能力を有すると認められた者に教員への道を開くために文部科学省が開催している
文部科学省 教員資格認定試験
受験資格
大学を出ていなくても、「高校を卒業したもの、または大学に入学する資格を有するもの」が受験資格です。つまり、高校卒または「高等学校卒業程度認定試験(高認)」に合格していれはいいことがわかります。
受験には年齢制限があり、2020年度の試験では、平成12年4月1日までに生まれた者が対象でした。
取得できる免許
取得できる免許は「二種免許」です。しかし、専修免許や一種免許と比べ、できる仕事に制約はありません。二種免許取得後に研修等を受講することなより、一種免許に切り替えることもできます。
試験会場と日程
1次試験会場は2020年度から、東京近郊と大阪近郊の全国2箇所になりました(2019年度までは全国6箇所)
試験は2次試験まであります(2019年度までは3次試験まで)。
2次試験会場は、2020年度は独立行政法人教職員支援機構(茨城県つくば市)を予定していましたが、新型コロナウイルス拡大の影響で、オンライン(ZOOM)で行われました。
2020年度の日程は以下の通りでした。
日 程 | 内 容 |
5月29日まで | 願書等の請求受付 |
5月22日〜6月5日 | 出願期間(当日消印有効) |
8月中旬頃 | 受験票の交付 |
9月13日(日) | 1次試験 |
11月28日(土) 29日(日) | 2次試験(1次試験合格者のみ) |
1月20日(水) | 合格者発表 |
出願方法
まずは、受験願書等の資料請求をする必要があります。インターネットを使う方法と電話する方法の2通りあります。
資料請求
①インターネットで請求する場合
独立行政法人教職員支援機構がホームページ上で告知する受験案内に記載されているURLあるいはQRコードから行います。
②電話で請求する場合
音声ガイダンスに従って申し込みます。
出願方法
試験運営大学の担当部署宛に郵便局の窓口から書留で郵送します。
【出願書類一覧】
・出願書類点検票
・受験願書
・戸籍抄本(個人事項証明書)又は住民票の写し
・受験資格を満たす学校の卒業(又は修了)証明書
試験内容
2020年度から、試験内容が大幅に変わりました。主な変更点は以下の通りです。
①3次試験(6日間)まで行っていたものを2次試験(3日間)にするなど日程を見直し、待ち時間の解消と試験時間の短縮をすることで、受験者の負担を軽減した。
②択一式の筆記試験の内容を精選し、知識や技能を問う試験から、実践的指導力を問う試験へ変更した。
③コミュニケーション能力や適性等をより実践に即した形で評価するようにした。
一次試験は択一式と論述
択一式①(20問/70分)
教職専門科目に関する試験。次のような内容があります。
・教育史
・教育心理
・法規(教育基本法、学校教育法、教育公務員特例法など)
・学習指導要領、学習指導要領総則
・文部科学省からの通知(「小学校プログラミング教育の手引き」「特別支援教育の推進について」など)
択一式②(60問/180分)
各教科の専門的内容及び学習指導要領の理解等に関する知識・技能を具体的な授業場面に則して活用する問題。
10教科のうち音楽・図画工作・体育を2教科以上含む6教科を選択。
論述式①(2問/60分)
各教科の専門的内容及び学習指導要領の理解等に関する知識・技能を具体的な授業場面に則して活用する問題。
10教科のうち1教科を選択。
論述式②(2問/60分)
教育者としての使命感や責任感、児童理解等、教員として必要な能力と適性の全般に関する論述試験。
2次試験は論文、指導案、討議、模擬授業
1日目
2020年は11月28日(土曜日)12:00~17:00
主な内容
- 講義(現代的教育課題について)
- 論文作成
- 講義(指導案作成等について)
- 指導案作成
2 日目
11月29日(日曜日)10:00~16:00
主な内容
- グループ討議
- 模擬授業
難易度は近年低下傾向
気になる難易度ですが、各試験とも6割以上の得点が必要です。
受験者数や合格率の推移ですが、
応募者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 倍率 | |
2015(平成27年)年度 | 1375 | 1135 | 147 | 13.0% | 7.7倍 |
2016(平成28年)年度 | 1298 | 1091 | 149 | 13.7% | 7.3倍 |
2017(平成29)年度 | 1114 | 925 | 138 | 14.9% | 6.7倍 |
2018(平成30)年度 | 1018 | 849 | 112 | 13.2% | 7.6倍 |
2019(令和元年)度 | 917 | 780 | 248 | 31.8% | 3.1倍 |
この表から、2018年までは、合格率10〜15 %(倍率6.5〜8倍)と、難易度がかなり高い試験であったことがわかります。受験者数は年々減少しています。
しかし、2019年になり、合格者数、合格率が倍増しました。この結果が、2019年度の台風接近による2次試験中止によるものなのか、受験者数の減少や問題の違いにより今後も続くものなのかは、2020年度の結果を見ないと判断できません。
25,000円で教員免許で取得できる!!年に1回のチャンス!!
一般的な大学の教職課程で免許を取る方法の場合、必要な単位を取り大学を卒業できれば確実に免許が取得できますが、数百万円の費用がかかります。
それに対して教員資格認定試験は、狭き門ではありますが、受験費用25000円で免許を取得することが可能です。
教師が足りない今、教員免許は働く上で大きなチャンスを得られる資格です。
多くの方に教員資格認定試験を受けてもらい、学校で先生として働いて欲ししいと願っています。
記事の内容は 独立行政法人教職員支援機構「教員資格認定試験」より
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