この記事は、Career Gaeden「中学校の先生の仕事内容」からの転載です。
教科指導が中心
教師の本分はやはり教科指導となります。中学校の先生は、小学校と異なり、各教師が専門の科目を持って、授業を行います。
文部科学省が平成13(2001)年度に実施した「教育課程実施状況調査」では、小学校全体として授業が「よくわかる」と答えた児童が22.8%、「だいたいわかる」との回答は46.8%でした。「わかることとわからないことが半分くらいずつある」という児童は23.7%です。
それに対して、中学校2年生では「よくわかる」と答えた生徒がかなり減って7.8%、「だいたいわかる」生徒は44.0%で小学校と大差なく、「わかることとわからないことが半分くらいずつある」という生徒が35.0%とずいぶん増えています。
このデータから、中学校の授業はどの教科でも難しくなり(専門性が高くなり)、覚えることも増えるため、普段の授業についていくのが大変だと感じている生徒が多くなることが分かります。
このような状況で、中学校教師としていかに「分かりやすい」授業を展開するか、その創意工夫は職務の中で大きな位置を占めます。
また、高校受験を控え、勉学が重要になる時期ですが、授業に興味を持たない生徒もいます。どうやったらその科目を楽しんで勉強してもらえるかを念頭に置きながら授業内容を考えることも必要です。
部活動指導
積極性や協調性、目標を達成するための努力など、中学の部活動は「卒業後の人生において必要とされる内面的な事柄」を身につける絶好の機会です。
一緒に部活動に取り組みながら、生徒の心の動きを最も近い位置で感じ、褒めたり励ましたり、叱ったり慰めたりと、子どもの気持ちに寄り添うことも、中学校教師の大切な仕事の一つです。
放課後や休日といった長い時間を共有した先生と生徒との間には、強い絆や信頼感が生まれます。家族以外の大人と信頼関係を築くという経験は、中学生にとってその後の人生に大きな影響を及ぼすでしょう。
この部活動指導も、中学校教師の仕事の中で意義深いものだと言えます。
生徒指導
「生徒指導」と聞くと、問題行動を起こした生徒への懲戒を想像する人が多いと思います。
しかし、実際の生徒指導とは、教育活動全ての場面においてさまざまな形で行なわれています。
そもそも、生徒指導とは「一人一人の児童生徒の人格を尊重し、個性の伸長を図りながら、社会的資質や行動力を高めるように指導、援助するものであり、学校がその教育目標を達成するための重要な機能の一つ」と定義されています。
そのため、体育祭に向けてクラスが一致団結して競技に臨めるようにするのも「生徒指導」ですし、友人関係を築くのが苦手な生徒が友達の輪に入れるように橋渡しをして、その生徒が少しずつ周囲に心を開いて接することができるように導くのも「生徒指導」なのです。
教師は、学級担任や教科担当教員、また部活動顧問として生徒一人ひとりの状態や課題を的確に理解しなければなりません。
そして、個々の生徒がどのような成長を遂げてほしいのか、個別の指導・支援計画を立てながら、日々の教育実践を積み重ねていくことになります。
中学校の時期は、生徒にとって思春期にあたり精神的に不安定になりがちです。教師は、生徒のよき相談相手となり、中学校生活をサポートをしていく役目も担っています。
これらの仕事以外にもテストの作成と採点、学校行事の準備、進路指導など業務内容は多岐にわたり、事務作業も数多くあります。