11月の就学時健診の後、多くの学校で2月に入学説明会が行われます。4月の入学に向け、期待に胸を膨らませながらも、不安な気持ちをもつのは、子どもも保護者方々も同じでしょう。
この記事では、4月の入学を安心して迎えられるよう、入学前に準備しておくこと、心がけておくことをお伝えします。
目次
「受診指導」は直しておこう
就学時健診で歯科、聴力、視力、内科などの検査があります。もしその検査で「受診勧告」という紙をもらったら、虫歯を治す、耳の検査に行くなど、入学までに治療しておきましょう。
校長先生と相談になったら
就学時健診では、医療的な検査だけするのではありません。お子様の様子を観察して、集団生活になじめるか、入学後特別な配慮をする必要があるかも見ています。落ち着きがない、不安感が強い、ずっと泣いている等のことがあったら、校長と面談になります。
幼稚園、保育園、家庭での様子はどうか、子育てで困っていることはないか、等のお話を伺い、学校で配慮した方がいいことを考えます。場合によっては専門機関に繋げた方がいいのかどうかの提案をします。もし専門機関への相談を持ちかけられたとしても、それはお子さんが安心して学校生活を送ることができる方法を事前に知ることができるということでもあります。前向きに捉えていただきたいと思います。
事前学習は焦らずに
入学時の学力は本当に人それぞれです。ひらがなの読み書きができる子、漢字も書ける子、九九がもう言える子・・・
そういう中「入学前にどこまで学習していたらいいのだろう」と心配している方も多いと思います。
この時期の子どもの成長は千差万別です。特に4月生まれと3月生まれだと約1年も成長が違います。
そして幼稚園・保育園によって教育方針が全く違います。
ですから、他の子と比べてできないことがあるのが当然なのです。
入学説明会では学習について「自分の名前を書けるようにしておいてください」と言う話をされるでしょう。「本当にそれだけでいいの?」と思うかもしれません。
4月は、ひらがなを一から学習します。多くの子は既に書けるようになっているので「もう知ってるよ」と言うのですが、字形があやふやな子、使い方を間違っている子、うろ覚えしている子は大勢います。知らないことを前提に丁寧に指導するので、焦って事前学習することはありません。
もちろん、得意なことや興味のあることはどんどん進めてかまいません。しかし、興味が持てないことを無理に教えても嫌いになる可能性があるので逆効果です。
得意なことを伸ばし、多くのことに興味をもてるようにして、前よりもできるようになったことや、関心が深まったことに「すごいね」「がんばったね」と褒めてあげてください。
学校の決まりや約束は毎年変わります。
1月〜2月にかけて行われる「入学説明会」で、学校の決まりや準備についてたくさんの話があります。始めてお子さんが入学する方は知らないことが多くて大変かと思いますが、兄弟が既に小学校に通われている場合「もう知ってるから」と安心している方もいます。
しかし、学校の決まりや持ち物の約束は毎年少しずつ変わります。持ち物や約束が「来年の1年生から変わる」というのはよくあることです。慣れている方ほど気をつけていただきたいと思います。
持ち物に名前をたくさん書きます
入学説明会で「一つ一つの持ち物に記名を」と言われると思います。
この記名がとにかく大変です。
鉛筆1本1本、算数セットのおはじきや計算カード1つ1つ、糊には本体にも蓋にも、クレバスには1本1本記名する上ににケースにも蓋にも記名をお願いされると思います。
「えー、こんなに!」と思うかも知れませんが、これは絶対に必要なのです。
1年生はものをよく落とす上に、思い込みが強かったりすぐ忘れたりするので、名前が書いていないと「これボクの、わたしの」と取り合いになったり、逆に明らかに数が足りていないのに「自分のじゃない」と言い張ったりすることが多いのです。
記名するときに注意していだたきたいのは、「シールでなく、マジックで書く」ことです。
最近名前のシールを貼っている方が多いのですが、シールはすぐに剥がれてしまい「名無し」になってしまうのです。大変ですが、マジックで書いてください。
消しゴムは、紙の部分だけでなく、消しゴム本体にも。
クレバスは短くなったら紙の部分を切って使うことになるので、下の方に記名してください。
体操着の名前はアイロンプリントの方が多いのですが、洗濯しているうちに剥がれがちなので、角が剥がれてきたら早めに補修をお願いします。
入学式直前に行うと「徹夜」ということにもなりかねません。計画的に、こつこつ取り組んでください。
分からないこと、不安なことは遠慮なく学校に問い合わせ
持ち物や準備、購入物等、説明を聞いたり冊子を読んだりしても分からないこと、不安なことはたくさんあると思います。また、説明会の時に分かったつもりでいても、後から曖昧になることはたくさんあります。
一般的に、次年度の新入生の受け入れ準備は、その学年の一年生の担任がしています。対外的な窓口は教頭(副校長)です。保健や安全関係、食物アレルギー等は養護教諭(保健室の先生)です。電話で問い合わせした場合、担当の先生につないで答えてもらえます。
些細なことでも遠慮なく問い合わせをして、不安を解消してください。
小学生の教育・子育ては、学校だけ、家庭だけでできるものではありません。学校・家庭・地域が協力・連携して行うものです。
準備をこつこつ進め、不安なことは問い合わせて、安心して入学式を迎えてほしいと思います。