立場上、初任者や初めて担任をする臨任に指導や助言をすることが多くあります。若い先生を見ていると「いい授業をしよう」という気持ちを感じるのですが、「授業以前のこと」で上手くいっていないことの方が多いのです。そして、そのことを具体的に指摘しアドバイスすると、見違えるように授業がよくなることが分かりました。
これらの経験から、これまで「当たり前過ぎて発信するまでもない」と思っていたことも、実はベテランのノウハウが詰まっていて、発信する価値のあることということが分かりました。
そこで、「授業」以前の「基本のキ」をシリーズ化し、若い先生に役立ててほしいと思います。また、中堅・ベテランの先生にも自分の指導を見つめ直すきっかけになれば幸いです。
号令をおろそかにしている人が案外多い
授業の開始時に日直が
気をつけ。これから○時間目の□□の学習を始めます
などの号令をかけ、授業を開始するクラスが多いと思います。
でも挨拶をおざなりにしていませんか?
私が若い先生の授業を見に行き、よく見かけるのは次のような場面です
- 日直が「気をつけ」と言っているのに、気をつけをしていない子が多い。にもかかわらず日直が号令をかけてしまう。
- 日直が「気をつけ」と言っているのに、先生が気をつけをせず、授業の準備をしている
号令の効果
私は号令なしで先生がいきなり授業を開始しても構わないと思っています。しかし、号令には
- オンとオフの切り替えをする
- クラス全員で「これから学習をする」という雰囲気づくりをする
という効果があります。
号令をするのなら、これらの効果を最大限発揮することを意識しなければなりません。
日直が号令をかけているのに、それに従わない子が多い状況で進めてしまうと、人の話は聞かなくていいということを毎日毎時間教えることになってしまいます。
まずは先生が手本を。そしてたくさん褒めよう
日直が「気をつけ」と号令をかけたら、まず先生が真っ先にいい姿勢で気をつけをしましょう。全員のお手本になるように。
そしてクラス全体を見回してください。いい姿勢をして気ををしている子がいる反面、手が膝にない子、手いじりをしている子、物を触っている子、よそ見をしている子も少しはいるはずです。
いい姿勢をして気をつけをしている子には
○○さん姿勢がいいね
手が膝の上にあるね
など、たくさん声かけをしてください。姿勢が乱れている子も気づいて直すはずです。
そして、気をつけをしていない子がいるのに日直が
始めます
と言おうとしたら
ストップ。まだ準備できてない人がいるよ
と声をかけましょう。
そして、挨拶が終わったら
上手にできたね
と褒めてください。
数日続けれは、見違えるほど号令も挨拶も上手になるでしょう。
毎日当たり前にしていることだからこそ大切に
号令や挨拶が上手に素早くできるようになると、クラス全体が集中して学習に入り組めるようになります。
また、号令の様子を教師がよく見ることによって、子どもの状態を把握できるようになります。
毎日毎時間行っていることだからこそ、その時間を大切にしてほしいです。
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