立場上、初任者や初めて担任をする臨任に指導や助言をすることが多くあります。若い先生を見ていると「いい授業をしよう」という気持ちを感じるのですが、「授業以前のこと」で上手くいっていないことの方が多いのです。そして、そのことを具体的に指摘しアドバイスすると、見違えるように授業がよくなることが分かりました。
これらの経験から、これまで「当たり前過ぎて発信するまでもない」と思っていたことも、実はベテランのノウハウが詰まっていて、発信する価値のあることということが分かりました。
そこで、「授業」以前の「基本のキ」をシリーズ化し、若い先生に役立ててほしいと思います。また、中堅・ベテランの先生にも自分の指導を見つめ直すきっかけになれば幸いです。
子どもに言ったことを教師自身がしていない
私が若い先生の授業を見に行き、よく見かけるのは次のような場面です
- 日直が「気をつけ」と言っているのに、気をつけをしていない子が多い。にもかかわらず日直が号令をかけてしまう。
- 日直が「気をつけ」と言っているのに、先生が気をつけをせず、授業の準備をしている
ということを書きました。
号令の場面に限らず、子どもに指示したことを教師がしていない場面をよく見かけます。
- 体育の「気をつけ」「体育座り」
- 避難訓練の「マスクで口を押さえる」
- 朝の会の時、「発言者を見ずに丸つけや連絡帳を見る」
などです。このように探すとキリがないと思います。
まずは教師が手本を
子どもは教師をよく見ています。最初の頃は教師の指示にしたがっていても、
先生はしてないじゃん。ずるい。
と思われてしまったら、あっという間に統制がとれなくなります。
教師と子どもは人として対等
もちろん教師と子ども(児童・生徒)は立場と役割は違いますが、人としては対等です。
教師が子どもに求めている
- 挨拶をする
- 返事をする
- いい姿勢をする
- はっきりした声で伝える
- 話している人を見る
などのことは、円滑で気持ちの良いコミュニケーションのために必要なことです。
子どもにこのようなコミュニケーションをとってもらいたいのなら、教師自身が範を示す、つまり「率先して取り組む」ことがとても大切です。
「人にしてほしいことはまず自分から」を、大人である教師からまずやってみせましょう
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