メダカの学習から「ヒトのたんじょう」
教室では、メダカの探究が終わり、大人のメダカたちは、各家庭に引き取られていきました。今は、メダカ2世たちを教室で育てています。観察用の平たい水槽でスイスイと元気に泳いでいます。それはそれは、小さくて可愛いです。2mm~5mmくらいでしょうか。ペースト状の赤ちゃん用の餌を与えるとパクパクと水面に近寄ってきます。夏休み前くらいには、子どもたちに引き取ってもらえる大きさになりそうです。
さて、メダカの後の学習は、「ヒトのたんじょう」です。教科書には、メダカの卵と人の卵子の大きさを比べる図がありますが、「そもそも、人って最初は卵なのかあ!」と驚いた子もいたくらいです。成長したら人間の方がとても大きいのに、メダカの卵よりもかなり小さいところも子どもたちの興味を引きました。
この単元は、主な実験はありません。本やインターネット、家族へのインタビューを通して自らの問いを探究していく単元になります。最後には、探究発表会が紹介されています。それぞれの子どもたちの探究課題に合わせて学習を進めることができます。
導入は 我が子の紹介
導入はどうしようかなあと考えたときに、真っ先に浮かんできたのは、我が子を紹介しようと思ったことと、この単元を学んでいるときに「性」を素晴らしいものだと考えることで下ネタとして扱う児童を出したくないなあと思ったことです。
我が子は、0歳4か月です。パートナーがエコー写真などを丁寧にファイリングしてくれていたので、それを教材として使わせてもらいました。タイムライン(数直線)を黒板に書いて、現在の位置と誕生日の2月の位置を記入しました。現在の様子は、その日の朝に、我が子を動画で撮影してきたので、それを子どもたちに見せました。可愛いと評判でした(^^) そして誕生日の位置からさらにさかのぼって、日付を書いていくことにしました。最初の日付は、妊娠検査薬で妊娠が分かった7月です。子どもたちと月を数えていくと8カ月間、お腹にいたことが分かりました。我が子は早産だったので1カ月早く産まれています。パートナーの母親と誕生日が同じなので、どうやらそこを選んできたらしいです。
今度は、7月から誕生する日まで、エコー写真を見ていくことにしました。エコー写真の横に、お医者さんから聞いたことや気づいたことをパートナーがメモしてくれていたので、それを子どもたちと読んでいきました。いくつかのメモを載せます。
7月20日
すごーく小さいけど頭が見える。赤ちゃんはすみっこが好きだとかですみっこにいた。つわりが辛く、とにかく早く帰りたかった。
8月3日
まだ、4・5cmのはずだけど、ものすごく動いていた。
9月18日
今日の内診でもよく動いていた。頭囲の大きさや動き、子宮の大きさなどかなり順調らしい。ヨカッタヨカッタ。
10月16日
最初に超音波4Dエコーを見て、初めて顔を見る。か、かわいい・・・!しかし、激しく動いていて、ぶれない写真を撮るのが至難の業。“性別は女の子みたいですよ~”と助産師さん。女の子!!顔を手で隠していたり、V字バランスしていたり。身体が柔らかいね!!320グラムだったかな!大きくなってきたね!!
エコー写真とメモからイメージ
子どもたちは、エコー写真と記述を読み比べながら、赤ちゃんが大きくなっていく様子をイメージしていくことができました。具体的には、本やインターネットで調べていく予定です。
最後に我が子が誕生したときの話をしました。子どもは宝物。誕生は奇跡。そんなことをキーワードにして話をしました。
その上で、この単元で「性」を下ネタとしてクラスで広めないで欲しいとお願いしました。教科書や図書室で借りてきた本の中には、赤ちゃんが裸で写っていたり、授乳の様子が紹介されていたりします。こういった写真を見るとクスクス笑ったり、一生懸命調べている子に対して、「エロ!」というような意味のない中傷をしたりする子が出てきます。みんな小さいころに当たり前のようにしてきたことです。それを馬鹿にするということは、自分自身の誕生や成長を馬鹿にするのと同じことです。みんな真剣な顔をして聞いてくれていました。ヒトのたんじょうの不思議を楽しんで探究できそうです。
※この記事は、小学校教諭「イマシュン」さんの投稿です。